Quotation-religious studies

Phantasm

 誰しも読書中に、突然、ある種のイメージとイメージのリンクを感じ取ることがあるとおもう。
 それはある種のファンタスムであり、他人とは共有できないイメージの表象である。

 ipad AIR のCMで使われている「いまを生きる」のセリフもそれに似ている。
 その映画を知らないひとには、イメージの共有はできない。その映画のなかで、ホイットマンの詩がどのように使われているのか、また、友人の死と直面する主人公の様子など。CMの映像とセリフだけでは到底イメージできない。

 タイラーは、原始人たちが死とか夢とかいった現象に直面して疑問を抱き、これを知的に解釈しようと思索をこらした結果、霊魂観念に到達したというのだけれども、これは原始人やその宗教の理解の仕方としては、あまりにも主知主義的・合理主義的に偏った見方である。死や夢に対して人間の心に湧き起ってくる最初の反応は、タイラーのいうような知的な疑問よりもむしろ感情的・情緒的な驚きとか怖れとか悲しみとかいう激情であると思われる。死や夢をはじめ、なにか日常性を破るような出来事に出合った場合、人間は静かに知的・論理的な思索にふけるよりも前に、むしろ非論理的で激しく複雑な感情の渦の中に巻き込まれるのが普通であろう。ここで当人に感得される感情の対象は、霊魂というような人格的に形の整った存在ではなくて、むしろ非人格的な何ともしれぬ不可解な力のはたらきというものだったのではあるまいか。    
 『宗教学入門』 脇本平也


      
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