Philologen 『直観を磨くもの』

直観を磨くもの: 小林秀雄対話集 (新潮文庫)直観を磨くもの: 小林秀雄対話集 (新潮文庫)
(2013/12/24)
小林 秀雄

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 新潮文庫から出された一冊、対話集とはいえ読み応えありました。

 『慧眼』という表現が相応しい批評家であり、また、文筆家である小林秀雄氏の対話集。
 本業の文芸批評以外にも、絵画などの芸術に関する造詣も深く、白黒はっきりとした批評する人物である。 また、「わからないもの」を率直にわからないと言ってのける潔さもあり、清々しさすら感じさせる。
 
 
 「歴史について」の対談で、小林・河上両氏のニーチェの取り上げ方が興味深い。

P510
小林秀雄: 宣長の学問が文献学であるということは古くから言われてきた。村岡典嗣さんはべークの文献学が、宣長の学問を説明すると考えたが、べークという人は、いわば文献学の優等生だろう。優等生では、宣長を説明することは難しいのだな。文献学もニーチェまで行かないとね。
 
河上徹太郎: あれは正統の文献学者だ。だから、自分のことを「言語学徒Philologen」と名乗っている。つまり、古言語学者だ。

小林秀雄: 文献学の過激派だよ。――文献をたよりに歴史を再建してみせるなどという仕事を、頭から認めないのだからな。彼にとって、歴史とは決して整理など利かぬ人間悲劇だ。彼の関心は、遺された文献ではない。文献の誕生だ。



 「文献の誕生」 ですか。非歴史的というべきか。 
2014.6.11
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 『武士の家計簿』で一躍有名になった、(当時)茨城大学准教授→(現)静岡文化芸術大学准教授 磯田道史氏のエッセイをまとめたもの。専門は、日本近世史、日本社会経済史で古文書(こもんじょ)研究では、食事を忘れるほど没頭される方らしい。今回は、雑誌や新聞へ掲載したものの加筆修正したエッセイ集的な一冊となっている。
 


歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)
(2012/10/24)
磯田 道史

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 本書は、あまり、研究の手が入っていない「忍者」に関する学術的見解や、古文書から地震や津波の周期性を調べる様子など多岐にわたるエッセイ集で歴史・日本史好きを唸らせることは間違いない。 とくに、歴史小説やマンガなどで、過度に脚色された史実をみてウンザリしている読者層にはうってつけの新書ではないだろうか。 また、著者の幼少時代のエッセイからは、歴史認識に対する真摯な姿勢が培われていく様子もうかがえて微笑ましい。 古文書研究が示す「リアルな歴史観」は、一般的な通説とは正反対であることもある。 そうした発見(歴史認識の転換)こそが歴史の面白いところかもしれない。

L’ajustement:作動配列?

P15 『美しい本は一種の外国語で書かれている。 ひとつひとつの語の下に私たちの一人一人は自分なりの意味を盛り込み、あるいは少なくとも、自分なりのイメージを盛り込む。 そのイメージは誤読[反対の意味]になることもある。 しかし、美しい本の中でつくり出される誤読はすべて美しいのだ』 Proust, Contre Sainte-Beuve, ed.Gallimard,P305.



 ジル・ドゥルーズ(以下GDと略す)の入門編、GD作品のなかでは一番読みやすい。
ディアローグ---ドゥルーズの思想 (河出文庫)ディアローグ---ドゥルーズの思想 (河出文庫)
(2011/12/03)
ジル ドゥルーズ、クレール パルネ 他

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2014.11.23

Israeli Secret Service

イスラエルとアメリカ蜜月の関係の下支えは、このモサドにあり。

インテリジェンス
モサド・ファイル――イスラエル最強スパイ列伝 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)モサド・ファイル――イスラエル最強スパイ列伝 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
(2014/10/10)
マイケル・バー゠ゾウハー&ニシム・ミシャル

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 (ある意味)ノンフィクションでは、ミルトン・フリードマンの伝記以来のヒット。

フィクションではないかと疑うほど、劇的で、「ゴルゴ13」のような暗殺、秘密工作の連続。

残念なのは、邦題のサブタイトルだけだ。雰囲気が台無し。 「~スパイ列伝」って原文にそんな謳い文句書かれてるか?

あと、クロロフォルムでは人間は、気絶しないんだけど。

ただ、解説を寄せている人物を見て驚かされた。 この手のノンフィクションは、文献で真偽を確認できないところが厳しい。

温故知新

経済学の犯罪 稀少性の経済から過剰性の経済へ (講談社現代新書)経済学の犯罪 稀少性の経済から過剰性の経済へ (講談社現代新書)
(2012/10/18)
佐伯啓思

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MEMO:
2013 6/7 Fri   『外的要因』が円高に引き戻したとの発表。
バーナンキの金融引き締めを示唆する発言で市場が反応、円高の要因をその発言に求めるかのような甘利大臣アナウンスメントだが、根源的な要因ではない。


経済学というツールもとに、多面的な分析をされている佐伯氏、新古典派経済学(政治的には新自由主義)への批判が中心 である。
ありがちなパターンかと思いきや、

(ケインズの)絶対的欲望と相対的欲望という概念から、貨幣(供給)の過剰が産みだす模倣欲望をあぶり出すところは新しい。ある意味では、温故知新という表現の方が正しいのかもしれない。 
 
もし、佐伯氏の講義が(外部の社会人でも)聴講できるなら、是非、参加したいものだ。


M.モースの『贈与論』の使い方が上手い。
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